レポート3 2012年11月

親愛なる読者のみなさま、フライブルク市有林での森林作業士職業訓練に関する3回目のレポートです。11月に行ったことを書きます。

この月は、フライブルクで訓練を受けたのは月の後半だけです。というのは、最初の12日間は、休暇をとって日本に行き、岐阜県庁の森林作業員研修においてアシスタントしました。岐阜においてもいろいろ学ぶことができました。

フライブルクの訓練所に戻ってからは、まず伐採作業を行いました。今回は、講師マイスターのベルントが、車ジャッキ(油圧ジャッキ)を使った伐倒を教えてくれました。大きなダグラスファー(米松)で谷側に大きく傾いている木でした。この木は山側に倒さなければなりません、谷側に落としてしまうと、下に立っている木々に大きなダメージを与えてしまうからです。

「車ジャッキ(油圧ジャッキ)」を入れ込む穴を切り抜くこと、その適切な高さ、深さ、底面、安全くさびの位置、そして最後の追い口切りまで、ステップ•バイ•ステップで説明を受けながら実践しました。適切な技術を使用することで、大きな木を動かすこともできます。自分でやってみてとても感心しました。

 「車ジャッキ(油圧ジャッキ)」を使用した伐倒は、大径木のときに使用します。シュヴァルツヴァルト地域に置いては昔から行われてきました。現在、林業専用のジョッキが使用されていますが、以前はみな、自動車のジャッキを使用していました。だから、この道具は今でも「車ジャッキ」と呼ばれています。昔から定評のある技術で今でもしっかりと機能します。

狩猟台の設置の実習も行いました。主に追い出し狩りのときに使用する狩猟台です。狩猟関係の施設をつくり、設置するのも、森林作業士の仕事です。背の高い狩猟台もあります。これは高い位置からの狩猟に使う者で、長時間座っている狩猟家を、風や雨雪からある程度守るために、座る場所に木の囲いと屋根がついています。狩猟台は、どの場所に設置するかが重要です。視界領域、周りの状況、地形、近くの道、そして行き易さなど。区画担当森林官のベルンハルド•フリードマン氏と一緒に、場所を適切な場所を探し、狩猟台を設置しました。

平地や谷の底に霧がかかることが多い11月ですが、標高の高い霧の上の明るい場所で作業したときは気分もよかったです。霧が深いときの伐倒作業は、少なくとも伐倒領域がしっかり可視できる状態のとみ行います。

クリスマスに使用するモミの木の枝葉を取るための伐倒作業もしました。クリスマスの時期には、モミの木の枝葉で降臨際の飾り輪をつくったり、その他いろいろクリスマスの装飾に使用します。このため、クリスマス前の時期にはいつも、「枝葉モミの木」が切られます。道端近くにあるモミの木が選ばれます。林内から引きずってくると枝葉がダメージを受けてしまいますので、道端の木を道に倒し枝葉を収穫します。木材としては価値の低い、枝が多い木が選ばれます。枝葉を集めるのが第一の目的ですので。この月、そのような木を何本も切りました。

2日間は、日本の状況に似た急斜面で伐採作業をしました。マーキングされた将来木の樹冠スペースを開けることが第一の目的でしたが、枝葉の収穫も行いました。

 枝が張って、なおかつ込み合って立っている木を地面に倒すのはとても難しいことでした。ほとんどの木は、ウインチワイヤーの力を借りて地面に倒さなければなりませんでした。この場所では、フェリングレバーを使用し、2分の3、2分の1切りを行いました。伐倒木は、我々作業員が、他の木に寄せ掛け、その後、丸太の根本部分にワイヤーをかけ、引きずり倒します。馴れてきた段階で、私たちは作業を分担しました。1人がチェーンソーで伐倒作業、あとの2人がウインチでの集材、造材作業を行いました(この作業がもっとも時間がかかります)。

いつも必ず行わなければならないのは、森林基幹道と遊歩道をしっかり閉鎖することです。

これまでにも短期の研修生がときどき来ていましたが、今月は、林業作業士の職業訓練に興味がある女性でした。彼女は、森林作業士の1日の仕事の流れを体験しました。

プロの森林作業員チームと一緒に道路脇の木の伐倒もしました。講師マイスターのベルント•クラマーが、彼の経験に基づいて、慎重に伐倒しました。このような状況では、ぜったいに失敗してはいけません。私たち訓練生達は、蛍光色の警告ベストを来て、旗を持ち、無線で連絡を取り合って、道を通行止めにしました。プロの作業員チームの林業専用トラクターが倒されたモミの木をそのまま運び去りました。この作業では、安全が最重要視されます。

秋は狩猟のシーズンでもあります。11月は、3回の狩り立て猟がありました。そのうち私は2回の猟に参加しました。これからも数回行われる予定です。私たち森林作業員は、狩り立て役でした。前もって決められた森林領域を、列を組んで組織的に動物を追い立てます。狩猟家達は、それぞれ各狩猟台に配置され、少し高い位置から、狩り立てられた動物を撃ちます。狩猟犬も活躍します。犬は狩猟動物を探しだし、狩り立てます。15人の狩り立て人と25人の狩猟家でした。この狩り立て猟の狙いは、動物の棲息密度の高い場所で、射止めることによって動物の頭数調整をすることです。近自然的で経済的な森林林業のためには、狩猟は欠かせません。動物の棲息密度が高いところでは、多様な天然更新は困難です。また狩猟は、イノシシによる農作物被害を押さえる意味もあります。

標高の高いところには雪も降りました。今年は10月末に既に初雪がありました。

次のレポートは12月です。

訓練生の仲間、ベルント•クラマー氏(講師マイスター)、ベルンハルト•フリードマン氏(森林官)、そしてフライブルク市に、このレポートを書く機会を与えていただいたことに、お礼の言葉を述べたいと思います。

パウル•ランゲ

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