前書き 2012年8月

親愛なる読者のみなさまへ

この連載レポートは、フライブルク市森林署における森林作業士職業訓練に関するものです。

私の名前はパウル=ランゲ、20歳です。私が受けている森林作業士職業訓練の様子を、これから2年間、毎月みなさんに紹介します。ここに書くのは、教育の内容、私の体験、職業訓練の仕組みや組織、カリキュラムなどなどです。

この前書きにおいては、主に、私がどのようなモチベーションでこの職業訓練を受けているかについてお話します。そのためにはまず、私が普段どういう 生活をしているか、どんなことが好きで、どんな趣味をもって、どういう価値観をもっているのか、紹介する必要があると思います。

私は、農家で育ちました。ですので、小さい子供のころから動物や自然、とりわけ森林と親しんできました。私の家はシュヴァルツヴァルト(黒い森)地 域の中にあり、名前のとおり、森がたくさんあります。よく馬に乗って森林に入ったり、森を散歩りします。そして森の中で動物を観察したり、キノコを集めた りもします。小さい頃は友達とよく森の中で遊びました。森の中にいると気分が落ち着きます。空気が新鮮で、静かで、日常の喧噪がありません。また私の父親 は森林官(フォレスター)として働いています。ですので、父親の仕事を通じても森林と深くつながっています。父親の仕事に同行して森へ入っていくことが 時々ありますが、その度に、森林に関する知識が増えていきます。

しかし、私が森林作業士の職業訓練を受けようと決断したのは、上記以外の理由もあります。それは、世界的な政治と社会に関わることです。自然は、私 たちの生活空間です。だからそれを手入れし、保護し、そして理解しなければなりません。森林は、私たちにとって重要ですし、今後、益々重要になると思いま す。だから、私は、自然のことをもっとたくさん学ぼうと考えました。自然がどのように機能しているのか、破壊せずに利用するにはどうしたらいいのか、そし てどのように手入れし、保護するべきなのか。また、私は外で新鮮な空気のなかで、頭だけじゃなく、体を使って働くことが好きです。世界の気候問題を考えて も、私は環境に配慮した生活をしたいですし、だから、森林作業士という職業は、私にとってすんなりと馴染みます。

毎日森林で、新鮮な空気の中で、多様な状況で多様な活動をします。森林は、同じ場所であっても、毎日少しずつ違います。寒かったり、暑かったり、急 な斜面で働くこともあり、そして季節ごとに異なった作業をします。そのように森林作業士という職業をイメージしています。毎日同じ場所に行って、同じ場所 に座って仕事をすることは、自分には向かないように思えます。13年の学校生活が終わったとき、自分は建物の中と机の上では、もう十分にたくさん時間を過 ごした、新鮮な空気のなかで自然とつき合うことがしたい、と思いました。

私がなぜこの道を選択したか、お分かりいただけたでしょうか。まとめると、私は自然のなかで自然と関わり、自然に関する知識を得られ、そして、精神 的にも肉体的にもトレーニングできる、そういう仕事がしたくてこの職業を選びました。仕事が終わったあと満足して帰宅し、次の日の仕事も楽しみに感じる、 そうであれば、私にとって正しい職業です。

私のこれからのレポート読んでいただくことで、ドイツでの森林作業員の職業訓練の概要と中身について、理解を深めていただければ幸いです。

パウル•ランゲ

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